おかもとゼミ

うんたらかんたら大学本館1024号室

邪道でありながら王道、男性声優による電波ソング「ドキドキ怪盗のキッド」

ドキドキ怪盗のキッド」は2019年7月10日に発売された岡本信彦さんのシングル「奇跡の軌跡」に収録されている楽曲の一つ。 

 

ドキドキ怪盗のキッド

ドキドキ怪盗のキッド

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ロックバンドを意識したジャケ写・MVのCDにまさかこんなどストレート電波ソングが忍び込んでいるなんて、誰一人予想できないだろう。

私自身も予想していなかった。

収録曲全て爽やか路線だと思っていたのに、いい意味で裏切られた。

油断して聴いている人の顔面にバチコンとクリームパイ(しかもクッッッソ甘ったるいやつ)をお見舞いし続ける3分26秒、それこそが「ドキドキ怪盗のキッド」だ。

 

ところで、このクリームパイには貴重な点が多い。

 

まず一つ、男性声優による本人名義の楽曲であることだ。

電波ソングは基本的にキャラクターソングである場合が多いが、岡本さんはあくまで自身の名前で、つまり自己表現の一つとしてリリースしている。

これは単純に珍しいケースだと思われる。

 

二つ目に、ちゃんと「くどくて甘ったるい」点。

近年歌手活動を行なっている声優はアーティスト志向で、アニソン外の様々な楽曲トレンドから要素を取り入れる傾向が見られる。

そんな中、アニソン界では伝統的とも言えるジャンルに砂糖マシマシな歌声と歌詞を武器に挑戦している点は貴重である。

今後の岡本さんの方向性がどうなるか分からないが、今まで歩んできた路線から予想すると、おそらくこれからますますレアな存在になるだろう。

 

三つ目に、前述の歌詞が本人によるものだということ。

単純に「パンパカパンパン」などという出だしの歌詞を自分に書く男性声優は見たことがない。

もしいたら是非教えていただきたい。

それ以外の部分についても、「見ざる聞かざる逃げ去るアイアイ」「わがままそのままありのまま まじまじまじまじまじまんじ」「ピポピポー ピーポピポピーポ」など電波ソングとして秀逸なフレーズが並ぶ。

 

以上の点を踏まえた上で、電波ソングソムリエやアニメ界隈のオタクにぜひ感想を伺いたい一曲である。

また、個人的な私の「冒頭のガチャガチャ感はでんぱ組.incのでんぱれーどJAPANを彷彿とさせるな…あと岡本さんはBABY METALをカバーしたら面白いのでは?ギミチョコとか…」というぼんやりとした感想についても意見をいただきたい。